マトリックス組織って結局何なの?
マトリックス組織とは、「製品×エリア」や「事業部×部門」といった構造になっており、部門の「開発」「生産」「営業」「販売」「人事」と地域、製品、顧客層別など、複数要素を組み合わせて構成される組織のことです。
例えば、下図の例では「製品×部門」となります。
通常は、人事や営業、販売といった「組織の機能」ごとに部署を作り、その部署内に専門の人員を配置する形態が一般的ですが、下図のケースの場合は、企画部門にいる社員は、製品Aだけではなく製品Bや製品Cなどの企画にも携わった仕事を行います。こうすることで、人財が複数の仕事に関わっていくことで、組織全体で柔軟に業務を進められるようになります。
トヨタで導入されたマトリックス組織とは・・・
トヨタ自動車がマトリックス組織を導入したのは2013年。2016年にはカンパニー制を採り入れ、7つのカンパニーと地域別のビジネスユニットを組み合わせたマトリックス組織体制を導入しました。
従来の開発、生産などのチームに加え、新たに「先進国チーム」「新興国チーム」「高級車チーム」などのエリアやターゲットに分けたチームを設け、1従業員に複数のチームを兼任させました。それにより、ターゲット層に即したクルマづくりをローコストで行うグローバル展開に成功したのです。
トヨタの組織体質ががこれほど強靭なのは、TPSに代表される現場活動だけではなく組織形態としてのあり方であると言われています。
名古屋工業大学の研究では、現場レベルのTPSやリーン、制約理論などだけを行っていても、高収益な組織体質にはなり得ないことがわかってきました。この研究の目的は、トヨタグループ以外の会社がトヨタのような強靭な組織体質に変わるための成功要因を抽出し、組織体質を変えるためのプログラムを開発することにあります。
マトリックス組織を短期間で設計・開発・構築できるようになれば、組織は活性化し、企業内ベンチャーによるイノベーションのスピードは加速し、企業内でのノウハウの偏り、社員不足の解消、全社的な経営品質の向上などその効果は計り知れません。
組織マネジメントを学びたいならトヨタ式マネジメント
様々なパターンの組織形態を形成することのできるマトリックス組織。
組織としての機動力が格段と上がる一方、運営が難しいという特性もあるため導入したくてもどのように手をつけてよいのか分からない企業が殆どです。
日本国内でのマーケティングやマネジメントが上手くいっている企業であっても、日本企業のグローバル化が加速している昨今、未だに多くの企業がグローバル市場においての組織構造の確立について頭を悩ませています。
一人で複数の事業や製品に関わっているため、所属するチームによっては一人の仕事量が増えてしまうこともありえます。そこで重要なのは上司が部下の仕事量をチェックし、必要に応じてケアを行なえる”マネジメント”です。
トヨタ式マネジメントでは、他の企業がマトリックス組織を作るために数十年かかる時間を数年で構築できるようにお手伝いいたします。
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