彼を知り己を知れば百戦殆からず
これは紀元前500年頃の中国・春秋時代に活躍したとされる軍事思想家「孫武(そんぶ)」が書いた「孫子」という兵法書の一節です。敵も味方も情勢をしっかり把握していれば、幾度戦っても敗れることはないという意味です。改善も考え方は同様で、顧客の価値観・ニーズを理解してから、どうすれば高い満足度を与えられるかを考えてアプローチしていきます。これは社内の経営やマネジメントに対しても同様です。
現在、世界中のビジネススクールでは TPS(トヨタ生産方式) が授業の中に取り入れられています。つまりMBAを取得したビジネスマンの殆どがTPSを勉強しているのです。その結果、今では世界中の企業やメーカーがTPS(海外では”リーン”)を導入しています。しかし、その多くはトヨタ自動車の表面的なモノマネをして失敗しています。
経営を他社から学ぶ際にどうしても成功例に目がいきがちですが、実際は成功例から学ぶことは実に難しいものなのです。成功した方法に目を向けるのではなく、どうしてその会社は成功したのか、その背景にはどのような課題があってどのような取り組みをしたのかを分析し、自社でもその方法が適用できるのかを掘り下げていくことが重要です。加えて、TPSは単純にやり方をマネるだけではなく、根本的に従業員の意識改革とセットで取り組まなければ 機能しません。
実際に、トヨタ自動車の現場の従業員は「良い仕事をしたい」という価値観が隅々まで浸透しています。トヨタが「人づくり」に力をいれているのも納得できます。
『トヨタ式マネジメント』では、実際にトヨタ自動車でTPSを指導していた経験を持つ講師陣が、トヨタのマネはできない、トヨタのやり方では通用しないとされた誤解をわかりやすく解説し、組織マネジメントの改善をお手伝いいたします。
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